芸術は、新しいものを作り出す創造性、表現を介して感情を交流する共感性、創作による探求で自己と向き合い磨かれる個性、時代や場所を超えて価値を繋いでいく伝統文化など、人類の発展を支えてきた根源的な行為であります。そして芸術教育は、そのような芸術の価値を、未来を担う子どもへ橋渡しする営為といえます。しかし一方で、我が国における過去40年間の教育改革は、「芸術教育の振興」という点では、非常に厳しい制度的な変化を迫ってきました。
天然資源に乏しい日本では、かつてものづくりの分野において世界を凌駕してきました。その背景として、明治期の近代化や戦後の復興で、芸術を含めた幅広い教育制度が高い水準で整備され、そこで育った人々が活躍し、社会の成長を担いながら国として豊かになってきたといえます。複雑化し不確実性が高まる現代日本において、様々な課題を発見し解決する上で、芸術教育を子どもたちが広く享受し、創造性や共感性、個性、伝統認識が涵養されることは、未来の社会に向け必要不可欠なものと考えています。
このような課題認識に基づきながら、科研プロジェクト(研究課題22K02528|研究代表:井手康人)の取り組みを契機として、芸術に関わる専門家が共鳴をして発足したのが、日本芸術教育財団です。本財団では、芸術教育の研究や実践を行い、その成果を展覧会やシンポジウムなどで広く社会へ還元し、芸術教育の政策提言を実施してまいります。
ミッション:存在意義
私たちは、芸術教育の実践・研究・国際交流を基盤に、
未来の芸術教育のあり方を提案し、持続可能な文化社会の実現に寄与します。
ヴィジョン:目指すべき姿
芸術によって培われる創造性を、人間理解・教育制度・地域社会づくりに活かし、個の感性と社会の公共性が調和した新しい教育モデルを発信します。
バリュー:活動指針
創造(Creation):実践と理論を往還しながら、新しい芸術教育の知を創出します。
共感(Empathy):芸術を通して自己や他者を理解する力を育て、相互に尊重しあえる場をつくります。
探究(Inquiry):芸術と科学、教育と社会をつなぎ、人間にとっての感性の働きを探ります。
公共性(Public Value):芸術教育を未来の社会を支える“公共の知”として、政策提案へとつなげます。
国際性(Global Dialogue):日本の伝統文化や他国文化と対話し、世界と共創する芸術教育の在り方を発信します。